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What is “Colour Recycle System”?

➖色で素材を循環する➖

衣類などの繊維素材は、さまざまに混紡・混織されたものが多く、素材で分別してリサイクルするのは難しいのが現状です。そこで、素材分別が難しい廃棄繊維を、色で分けて、リサイクルすることによって魅力的な素材になりうるのではないかと考え、研究を始めました。

そうして生まれたのが "Colour Recycle System" (カラーリサイクルシステム)です。

Sustainability    持続可能な社会のために

廃棄繊維は、主に中古衣料や産業資材としてリサイクルされ、それ以外は単に焼却等で処分されているのが現状です。そこに繊維を色で分けアップサイクルするカラーリサイクルシステムを導入することで、破れたり褪せたりした廃棄繊維も有効利用することができます。染料を使用せず繊維そのものを色材として再利用するため、より環境への負荷を低減することができます。

New material    新しい素材の可能性

​繊維をカラフルなフェルトやヤーンにしたり、また深い色合いと独特の素材感を持つFRP (繊維強化プラスチック)にすることができます。それらは再び色分別することによってさらに循環利用ができます。

Originality    オリジナルなモノ作り

廃棄される繊維によってさまざまな色の素材ができます。ベーシックに色相で分別するだけでなく、パステルカラーやアースカラー等。たとえばデニム等の同一素材を使ってグラデーションのプロダクトにすることもできます。

 

 "Colour Recycle System" は多くの可能性を秘めた新しいリサイクルのかたちです。

このコンセプトを示した研究報文

「Study on Effective Recycling System of Waste Textile based on Colour」は、

第18回「リサイクル技術開発本多賞」(一般社団法人 産業環境管理協会)を受賞しています。

 

繊維リサイクルの現状

廃棄繊維はさまざまなところから排出されます。生産工場での端材やアパレルやインテリアの会社の売れ残り、そして一般消費者からの古着等です。

現在多くの繊維製品は、大量生産→大量消費→大量廃棄されているのが現状です。日本での廃棄繊維は年に200万t にも及び、これはTシャツ1枚が約100gとすると200億枚も捨てられている計算になります。廃棄繊維は、主に中古衣料、工業用のウエスや反毛等にリサイクルされていますが、それらはわずか1/4、約3/4が焼却処分されています。

繊維のリサイクルが難しい要因としては、いくつかあげられます。

1. 多くの繊維はさまざまに混紡・混織されている

繊維技術の発展によって、繊維は機能性や着心地・使い心地を求めてさまざまに混紡・混織されるようになり、素材分別によるリサイクルは難しくなっている。

2. タグが褪せたり紛失している

特に古着では、タグが洗濯などで色褪せて見えなくなっていたり、切られてなくなっていたりと、品質表示タグでの素材識別が難しい。

​3. 繊維リサイクル法がない

​ペットボトルや金属、家電や自動車のリサイクル法はあるが、繊維リサイクル法は未だできていない。

このように多くの課題を抱えた繊維リサイクルですが、私たち消費者一人一人が繊維を資源と捉え、リサイクルに対する意識や興味を持つことによって、新しい突破口ができるのではないかと思っています。

—MOTOKO UCHIMARU

 
 
 

MOTOKO
UCHIMARU

株式会社 colourloop

代表取締役 内丸もと子

 

Middlesex University (英国)Printed Textiles BA卒業後、Anthea Davies Textile Studio を経て帰国。

京都でテキスタイルデザイナーとしてファッションやインテリア素材の企画に従事。

そんな中、廃棄繊維の現状を知り、ただただ作り続けることに疑問を感じ、京都工芸繊維大学大学院で繊維リサイクルの研究を始める。

「色をベースにした繊維リサイクルシステムに関する研究」で学位取得。廃棄繊維を使ったより魅力的な素材のあり方を模索し、

消費者に素敵だと感じてもらえる素材やプロダクトを社会へ提案していくことで、リサイクル製品の価値を上げ、

さらには循環型社会に貢献できるのではないかと考えた。その一躍を担いさらに次の世代へとタテ糸を繋ぎたいという思いで株式会社colourloopを設立した。

テキスタイルデザイナー、カラーコーディネーター、博士(工学)

 

TERUO
KIMURA

顧問

木村照夫

同志社大学大学院博士後期課程単位取得退学後、福井大学、京都工芸繊維大学で教育・研究に従事。

2001年に(一社)日本繊維機械学会に繊維リサイクル技術研究会を発足させ、多くのネットワークを通じて繊維リサイクルシステム構築等の活動を行なっている。

専門は機械工学、ファイブロ環境工学。

Colour Recycle Networkのプロジェクトリーダー

(一社)日本繊維機械学会名誉会員 フェロー

京都工芸繊維大学名誉教授、工学博士